一枚の写真 金沢

旅は五感を研ぎ澄ます。

美しき独特の文化に触れる時空の町

コロナ過にあって、行動制限のない3回目の秋。

今回は国内の旅でも十分に異文化体験できるってお話です。

 

海外旅行をするときに、いろいろと気を付けなければならないことがありますよね。

例えば、習慣の違いによるトラブルを避けるために必ず最低限のマナーを知っておく必要があります。

 

国内旅行ではどうでしょうか?

 

せいぜいの違いはエスカレーターのどちら側を空けるかとかでしょうか?

生活においての違いを心配することもあまりないし、マナーの違いを気にすることもそうはないと思います。

そういう意味では気楽だし、普段の延長で、観光地や食べ歩きを楽しめそうです。

そこで、「旅」という目線で町歩きしてみましょう。

簡単なことです、新鮮な気持ちでキョロキョロするだけです。すると、独特の不思議な感覚を感じることがよくあります。

プライドをもつ人々の美意識

見知らぬ町をふらふらと歩くのが、旅の醍醐味と私は思っています。

観光地を巡ったり、インスタグラムの景色を見たいと思ったり、その土地の名物を食べ歩きしたり、旅の楽しみ方はそれぞれですが、もし、目的地をつなぐ線を「歩いて移動する」ことをしないと、かなりもったいないと思っています。

ここだけは、「時短」をしないで過ごすと、お金と時間をかけてやって来た「旅行」の楽しさは倍増するものです。

 

私が子供のころは、10年ひと昔などと言いましたが、いまは、数か月前のことが忘れ去られるような時代の早さです。

昔話をしている暇さえありませんよね。

 

晩秋の金沢の町歩きは、朝早い時間に、ほうきで家の前の落ち葉を掃く人々の景色から始まりました。

「かさかさ」がだんだん「がざがざ」に変わる竹ぼうきを動かす音。私には懐かしく感じましたが、気が付けば、最近見ない景色です。

 

商店街の奥路地、店舗兼住宅のショーウィンドの前、目的地の道すがら、小さな祠のある神社の境内も、人々が黄色やオレンジの葉っぱをかき集めていました。

風が吹けば、次々に落ちてくる木の葉に、永遠の作業が続くようでもありますが、玄関の前はいつもきれいに整えておく。この朝一番の日課は、日本人の美意識に通じるものがあります。

家人が玄関の前を掃き清める街の景色。

これだけで、旅人の目は、金沢人のプライドと美意識を感じたわけであります。

兼六園の紅葉とは、また別格の美しい景色でした。

名もなき道の名もなき店の写真

犀川沿いの坂道の途中に在った古道具屋さんと思われる。
犀川沿いの坂道の途中に在った古道具屋さんと思われる。

お店なのかと思うほど生活感がただよう品々

 

デジタル化という言葉が飛び交い、リモートで体験、ドラマや映画も倍速見、現代の私たちが触れる情報量は江戸時代の一年分、平安時代の一生分とか。脳みそはどんどん進化しているみたいなんだけど、ね。
ガラクタかお宝か。新鮮か懐古か。ひとつひとつにドラマチックな物語を感じさせる品々が並ぶ。といって変哲もないものばかり。なんだろね、不思議な妖気とまでは言わないけれど、店主の嗜好なんだろうか、何かあるって感じさせるのよ、この一画。
慣れてしまえば、気にもせずに素通りしているだろう川沿いの坂道の途中に在る。
実は、一瞬、ゴミ屋敷なのかと思った。理由は、愛して捨てられないのかなと感じさせる存在感が一つ一つにあったから。
道すがらの地図もスマホにも頼らない散歩で行き会う感覚って、おとぎ話の、そう、アリスが穴の中に落っこちて、どっか別の世界にいっちゃう感じ。
くらっとするゆらめき。
出会いとは人だけに限らない。旅に出て、ふらふらとさまよい歩く、人それぞれに琴線に触れる何かがある。景色に加味されて思い出が積み重なる。寄り道、無駄な時間、その場でどんどん変えていく予定。匂いや温度感、何かよみがえる感情や意識。これはデジタルなんかに太刀打ちできない。

旅というもの。一枚の写真、金沢、犀川が流れるどっかの道沿い。雨が多い北陸の小雨のなかでパシャッ!

その一枚の記憶が人生を豊かにするよ。

美しい観光地の映像は、SNSの普及で世界中にあふれている。行ってみたい場所はどんどん増えていくけど、実際に行けるかとなるとまた別の話。

ある意味、ドローンの映像などを見ると、実際に行くより美しい場面が広がって、楽して旅した気分になるのも事実。

 

憧れの地に出かけて行けば、スマホ片手の映像クリエーター旅行者であふれかえっている。

それぞれのベストショットは、この時代の速度の中、一瞬のきらめきと化し、どっかのクラウドに保存されて本人すら忘れてしまう記録になってしまうことも多い気もする。

 

誰かに見てもらいたい文化が幅を利かせている中、自分だけの1枚を大事にファイルしておくと、大げさだけど、人生の宝になっていく。

時間とお金を使って旅に出るということは、生きていく価値観を作っていくことじゃないかなと思う。

 

悩んでいたことや、思っていたことが、その1枚で鮮やかに思い出すことがある。

そして、今の自分と照らし合わせると、ちょっとだけ、自分を褒めてあげたくなったりする。

自分の嫌なところを、否定しなくてもいいような気にもなる。

 

そして、もし、もう一度そこに行っても、二度と会えないような気がする。最初からあったことさえ自信が持てないような陽炎のような記憶。それでも旅は自分の細胞を作り出してくれる要素がいっぱいに溢れている。

スマホの中の地図は感性を揺さぶる景色を逃す。。。

今さらですけどね、旅行者で地図を見ながら町歩きをしている人って、殆ど見かけませんよね。。。

当たり前のようにスマホ片手に目的地を探します。が、が、が。

仕事とかで、何時何分までのそこに着く。待ち合わせのレストランに行く。とかですね、とっても便利ですが、旅をするときには、絶対に、そう、絶対に地図は必要と考えた方が、絶対に楽しさがマシマシです。

 

あてどなく歩く、路地に迷い込む、目に入る景色に感性を揺さぶられる。

そんな旅をするには、まず、見知らぬ町を歩くためには、ざっくりとでも全体像を把握しておくことが必要です。

観光旅をするのに大事なのは地図選びです。

なにもお金を出して買う必要はないのですよ。

ネットの中には、山のように資料がありますからね。でも多すぎて大変というのはあります。

プランをするときに、彷徨うために、迷い込むのにも、まったくの冒険では無謀すぎますよね。日本ならともかく、外国などはけっこう治安もきにしなければなりません。

歩きやすいマップというものを探すのも、大事な旅テクニックです。

町歩きしやすい地図みっけ!
町歩きしやすい地図みっけ!

今回、数多くあったネットの中のマップで、ダントツ使いやすかった観光マップです。

人によって使いやすさは違うと思いますが、各都道府県、観光協会など、いろいろと駆使してマップを作っています。(時々有料もありますが。。)

最近は、デジタル社会になってきて、紙で作らなくなったきたところも多いと思いますが、こういうのは、ペーパーレス化とはちがって、脳みそをスカスカにしないように、ちゃんとプリントアウトしてプランニング、そして持ち歩きましょう。

効率よく、ふらふら迷子を楽しむのには良い観光マップと出会えるかも大事な要素だと思います。