異文化 あるある Vol.3 英語は口真似から

内藤さんは宵っ張り

 会話から覚えて行く英語のお話し。

とにかく何でも聞きまくる、からスタートだい!

 さほど親しくない人と時間を費やさねばならない場面って、話題作りに苦労しませんか? むっつり黙っているのもしらけてしまうし、かといって共通の話題もないし。お天気の話しとかがやはり無難ですかね?

 習うより慣れろの外国語習得には、やはり旅行が一番。だって、知らない人に話しかけられるチャンスに溢れています。とにかく、勝手知らない異国では、何をするにもやり方の分からないことだらけ。

 日本人は、シャイという印象を持たれていますが、分からないことは聞く。聞きまくる。これにつきます。日本語でだっていいんです。分からなくて困っていることが相手に通じることがまずは大事なのです。

 それから、知っている単語の羅列。こちらが英語を使う時、相手だって英語が得意とは限りません。だって世界は広いのだもの。お互いの通じる単語の模索となる場合だってあります。

 でもね、きっと解決するんですよ。不思議なくらいに。旅にはそういう魔法があるんです。いえいえ、実は魔法ではないのです。答えは簡単、「ねばならない。」があるからです。これは強靭な魔法の種です。

 大事なことは、使う言葉の中に「プリーズ」と「ありがとう」の単語をまぶしておくことです。

スコープ越しに撮影 白いカラスです!

ハイ!ハロー!エクスキューズミー!

 外国語(英語)での始まりはまずは挨拶からです。日本人は、普段の第一声に、「すいません」を乱発します。とっても都合のよい万能語です。英語にすると、「ソーリー、ソーリー」となりますが、英語のすいませんは日本語とイコールではないんですね。こちらに非がないときには、ソーリーではなく、エクスキューズミーです。言葉は文化なので、日本語の直訳で捉えるとちょっとイメージが異なったりします。

 とにかく、何か話し始めるときは、挨拶から。そして、分からないことは聞く。スマホ頼りでは、旅の楽しさ半減ですよ。

 

 

しったかピーは、おちゃのこ と ケーキ

 英会話を習っている人は多いと思うのです。だって、これだけ日本中に英会話スクールがあって、Eラーニングがあって、書籍があるってことは、それだけ需要と供給があるってことですよね。なら、ぜひぜひ日常で使わねば。今はコロナで渡航制限があるので難しいけれど、手ぐすね引いて待っていましょう!

 今回は前置きがながくなりました。ここからが本題です。言葉は文化だなぁと感じるのにイディオムがあります。熟語とか慣用句とかの意味です。例としては、「おちゃのこさいさい!」「朝飯前だよ!」って言葉。こういう言葉覚えるとなんだか嬉しくなって使ってみたくなります。

 ちなみに「朝飯前だい!」って英語イディオムもちゃんとあって、ピース・オブ・ケーキ。a piece of cake、直訳すると、一切れのケーキです。ケーキの一切れなんて簡単に食べられるという意味から、簡単さ!となる。朝飯前はまだ食べていないけど、意味は同じとなります。

 こういうの覚えると、ね、ちょっと使ってみたいでしょ?

早起きはピヨピヨ

 朝の仕事の時、私は郊外に住んでいるので、都心までけっこうの時間がかかるんですよ。なので、7時くらいにスタンバイだと、4時半とかに起床するのですね。

 数年前のある朝、そんなシチュエーションで仕事を始めた時のことです。ゲストは日本は初めての旅行者、通勤時間のことが話題になりました。その仕事の前日に、早起きというイディオムを覚えたばかりだったんですよ。"early bird" アーリー バード。直訳は、早い鳥です。まわりが明るくなってくると、日の出より先に鳥がさえずり始めるあのイメージです。鳥の声で目覚める、ああ、なんて素敵な言葉なんでしょうね。

 という訳で、早速使ってみたくなって、I am an early bird... うふっ!ちょっとおしゃれ!英語出来る風。


脳みそに電球ピカッ!

 こういうことで、話題は弾むんじゃん!電車で何時間とか、東京は広いとか。。。つたないながら、会話は成立しているぞ!そしたら、相手が突然、僕はナイトー。と言ったんだ。I am ナイトー、って。

 え!(こういう時に、聞き返すのがエクスキューズミー? です。)そうしたら、彼は、確実に「僕はナイトー」って言っている。「ナイトー?」と返す。「イエス、ナイトー。」、また私は「アー、ユー、ナイトー?」、相手は「イエス、アイ アム ナイトー。」これじゃ、まるで漫才だよね。

 「アー ユー ミスター 内藤?」(あなた、内藤さん?)どう見ても、日系人には見えない風貌だし、日本語を全く話す気配もないけれど、内藤さんなのだろかと訝しく思いつつ。

 そこで相手も何となくおかしいと思ったのだろうね。非常にゆっくりと「イエス、アイ アム ア ナイトゥル。」。「ん?内藤トオル?」これは作り話ではありませんよ。歩きながらの会話。こうして英語出来ます風でかっこつけた私は、この内藤トオルさんの自己紹介にハテナマークが飛び交い、だんだん汗ばんで来ました。「あなたの名前は日本人と同じです。」さあ、いよいよ相手も会話がかみ合わなくなってきたことに気が付いたようです。

 ナイト アウル (night owl) と一音ごとに区切って話してくれました。「ん?ナイト アウル、夜のフクロウ。」おー!脳みその電球がピカッ!

僕は内藤さんなんだね。

 アーリーバードと言われたら、ナイトアウルと応じる。なるほど、朝型人間と夜型人間の対比はごく普通の会話だね。

 「早起き人間」は覚えたけど、宵っ張り人間は知らんかった。そう、この世には対比後ってのがある!脳みそに想像力が足らんかったかな?

 まさに、こうやってボキャブラリーは増えて行くのです。だって使わなかったら、気が付くこともなかったし、こうやって覚えた言葉はネット検索するのと違って忘れない。

 しかもアウルはナイトと重なって殆ど発音されない。まさにナイトーなのだ!ん~!ネイティブの風じゃん!

 すごい!わははだ!!「ナイトーってね、日本の苗字なんだよ。」って会話は続く、「じゃ、僕は内藤さんだね。」話の展開は面白い。早起きのイディオムを使ってみたら、大笑いの結果。宵っ張りの彼は内藤さんになった。結果、私はこの人の本当の名前を未だ知らない。。

ほんのちょっと一歩踏み出すだけで、この世は驚きに満ちている!

 旅先という特殊な事情で、いつもと同じことをしても新鮮に感じることが出来る。旅先というと身構えてしまうが、徒歩5分だって、行ったことのない場所、通ったことのない道での発見もあるものです。小さな出会いや、言葉を交わすことで、知らなかったことに出会うと、感動すら覚えます。五感はいつも磨きをかけておきたいものです。次にどこかへ行く時のわくわくをいっぱい貯めておきたいな。

 今回は言葉を覚える楽しさの思い出のエピソードでした。 次も言葉から拾っていこうと思います。